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ChopValue Manufacturing Japan株式会社は、約61万本の使用済み割り箸をアップサイクルした家具や内装を、2025年大阪・関西万博のカナダパビリオンに提供したことを発表しました。同社が6月に発表したプレスリリースによると、これらのプロダクトは、カナダの「循環型デザイン」としての取り組みを象徴するものとして設置されています。

使用済み割り箸をアップサイクルした大型テーブルや飲食カウンター

同社の発表によると、今回のプロジェクトでは、計606,597本の使用済み割り箸を原材料として活用し、パビリオン内の会議テーブルや収納家具、さらには飲食エリアのカウンターなどを製作したとされています。特に注目されるのは、全長7メートル、22名が着席可能な大型テーブルで、商談やパーティーなど多目的に利用される「コラボレーションスペース」に設置されています。

また、エア・カナダが展開する飲食エリア「デスティネーション・プーティン・バイ・エア・カナダ」においても、ChopValue Japanが設計から施工までを一貫して手がけ、アップサイクル素材による空間を構築したことが報告をされています。

「再生」をテーマにした空間づくりとサステナビリティの体現

カナダパビリオンは、「再生(Regeneration)」をコンセプトに掲げており、自然の循環や調和を表現した空間が特徴です。ChopValue Japanが提供した家具や内装もこのテーマと調和しており、たとえばスタッフが着用する名札にもアップサイクル素材が使用されるなど、細部に至るまでサステナビリティの思想が反映されています。

現地で取材したカナダパビリオンでは、これらのプロダクトが空間に自然に溶け込みながらも、循環型社会の具体的な実例として来場者の関心を集めていました。

出典:大阪万博 カナダパビリオン公式サイト https://www.canadaexpo2025.ca/ja-jp/canada-pavilion

廃棄物を資源へ 循環型ビジネスの国際展開

同プレスリリースによれば、今回のプロジェクトによって約29.8トンのCO2排出が削減されたとされています。ChopValueはカナダ発の企業で、地域ごとに設置された「マイクロファクトリー」で割り箸を再生する独自の仕組みを世界9か国で展開しています。日本法人は2024年に設立され、神奈川県川崎市に国内初の工場を開設しました。

ChopValue Japanは、今後も日本国内におけるアップサイクルの可能性を広げるとともに、持続可能なものづくりを世界へ発信していくとしています。

ChopValue Manufacturing Japan 株式会社 プレスリリース(2025/6/6): https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000160806.html

CETでは、大阪・関西万博の様々なパビリオンを現地で取材しています。
その様子を詳しくまとめた記事もぜひご覧ください。