記事を読む

一般社団法人アップサイクル(大阪市、代表理事:森原 洋)は、紙資源や間伐材から生まれる「紙糸」を中心としたプロジェクト「TSUMUGI」において、染織工房れんが(所在地:福島県喜多方市、代表:冠木 昭子)協力のもと、初の直営コンセプトストア「TSUMUGI」を福島県会津若松市に開業しました。

画像提供:一般社団法人アップサイクル

オープン日は2025年4月23日(水)。同プロジェクトのコンセプトである「地球環境と伝統技術を次世代につむぐ」取り組みを、実際に見て、触れて、体験できる場として誕生しました。

紙資源と間伐材から生まれる新たな素材「紙糸」

プロジェクト「TSUMUGI」は、回収した紙資源と未利用の間伐材を紙糸に変える取り組みとして、地球環境保護と伝統技術の継承を目指しています。これまでも加賀友禅や大島紬、会津型などの伝統工芸とコラボし、さまざまな持続可能な製品の開発を行ってきました。

画像提供:一般社団法人アップサイクル

今回、福島県会津若松市にオープンしたコンセプトストアでは、「会津型」などの紙糸製品を購入できるだけでなく、糸紡ぎや機織りの体験も可能とのこと。店舗改修には、22の企業・団体が参加し、アップサイクルを体現した内装や商品が揃っています。

画像提供:一般社団法人アップサイクル

体験を通じて伝統技術と循環型社会を学ぶ

店舗内では、紙糸を使った機織りや、「会津型」の型彫り・色さしといったものづくり体験も提供されています。来訪者は、紙糸の特性や染型紙の繊細な技術を実際に体感しながら、循環型社会に触れることができるという、珍しい取り組みです。

画像提供:一般社団法人アップサイクル

さらに、店内にはセイコーエプソン株式会社のガーメントプリンタが設置されており、紙糸製品へのデジタルプリントにも対応しています。これにより、伝統とデジタルを掛け合わせたオリジナル製品づくりも可能となりました。

22社・団体の技術を結集した店舗空間

「TSUMUGI」の店舗設計には、資源循環への思いが細部にまで込められています。内装材には、廃棄衣料を再利用したボードや再生和紙、海洋プラスチックを使ったアートワークなどを採用。床材には、間伐された杉材や、CO2を吸収する素材を活用した焼かないタイルが使用されるなど、環境負荷低減に配慮した工夫が随所に見られます。

画像提供:一般社団法人アップサイクル

また、障がいのあるアーティストによる作品を展示するなど、社会包摂の視点も取り入れられています。

地球環境と伝統文化を未来へ

「TSUMUGI」は、サーキュラーエコノミーの実現を目指す一般社団法人アップサイクルにとって、単なる物販店舗ではありません。資源のアップサイクルと伝統技術の継承という二つのテーマを融合し、次世代へのメッセージを発信する拠点となっています。

画像提供:一般社団法人アップサイクル

今後も同法人は、全国各地でアップサイクルの取り組みを広げるとともに、プロジェクトに賛同するパートナーを募集しています。福島・会津から新たに始まった、持続可能な社会の実現に向けた挑戦に今後も注目です。

最後に一般社団法人アップサイクルの瀧井さまにコメントをいただきました。


一般社団法人アップサイクル 瀧井さま

「TSUMUGIは、紙資源や間伐材といった未利用資源に新たな命を吹き込み、伝統技術とともに未来へつなぐ拠点として誕生しました。訪れていただいた皆さまに、ものづくりの楽しさと、持続可能な社会づくりへの思いを体感していただければ幸いです。」