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海外の高校生からは、日本のリサイクル産業はどう見えるのか? 3回シリーズでお届けします。

当メディアの運営母体の新井紙材株式会社では、ブリティッシュ・スクール・イン東京(BST)の授業の一環で行われる職業体験研修に協力し、2/3〜2/7の期間でインターン生の受け入れを行いました。

香港出身のJane Yipさんは、サステナビリティ関連の仕事に関心がある高校1年生。廃棄物管理の会社での研修を自ら希望し、香港貿易局経由で当社を見つけたとのこと。当社が用意した5日間の研修プログラムを通して、サーキュラーエコノミーの取り組みや静脈産業の工場を取材していただきました。高校生の視点で、日本の廃棄物管理の現状を、「紙」「繊維」「プラスチック」のマテリアルごとに、3回に渡ってレポートをお届けします。

第三弾は、株式会社ECOMMITのサーキュラーセンターを視察しました。

What is ECOMMIT? The Hidden World of Clothing Recycling ECOMMITとは?衣類リサイクルの隠れた世界

(原語の英語を翻訳)

正直なところ、ほとんどの人は、寄付や回収ボックスに投函した衣類がその後どうなるかを深く考えることはありません。目の前から無くなれば、それでよしとするのではないでしょうか?

しかし、その裏で実際に起こっていることは、驚くほど興味深いプロセスなのです。私は、CE.Tが主催するツアーに同行し、株式会社ECOMMIT のサーキュラーセンターを見学しました。
そこで目にしたものは、想像以上に複雑なものでした。

ファストファッションと使い捨て消費文化が広がる世界で、ECOMMITは衣類や雑貨などを循環させるために、その舞台裏を支えています。

衣類の仕分けへの深い洞察

サーキュラーセンターに一歩足を踏み入れた瞬間、衣類の膨大な量に圧倒されました。ここでは毎月30〜50トンの衣類が仕分けられ、ECOMMITが年間で選別・再流通する12,000トンに貢献しています。衣類の山、ベール化、そしてリズミカルな選別、 これらが時計仕掛けのように動いてゆく非常に効率的な作業なのです。

彼らの効率性の秘訣は何でしょうか?

それは、選別の訓練を受けた「プロピッカー」です。これが彼らの真の強みなのです。プロピッカーは1時間あたり200kgの衣類を仕分けることができ、一次選別・二次選別などのプロセスを経ています。その結果、ECOMMITが回収した衣類の98%以上が、国内外のリユースショップやリセールチャネルを通じて再販されたり、繊維に戻して自動車の内装材などにリサイクルされたりしているのです。

サーキュラーエコノミーの仲介者として

私が感じたことは、ECOMMITが企業の資源循環の取り組みにおいて非常に重要な役割を担っているということです。

アパレルを含む多くのブランドがサステナビリティの考えを持っているものの、自社で集めた資源を選別・再流通させるためのインフラを持っていないことが多くあります。ここにECOMMITのサーキュラーセンターが登場するわけです。

サーキュラーセンターでは、回収した衣類など状態や種類ごとに123品目に分類しインフラの役割を担います。

衣類を超えて:香水ボトル、家具など

ECOMMITは衣類だけを扱っているわけではありません。コスメティックブランドの空きガラス容器も回収・仕分けしています。主にはガラス容器のボトルを10以上のカテゴリーに仕分けしてから洗びんを行い再びリユースとして再製品化しています。

その他にもECOMMITは、外部パートナーと協業し、廃棄された品目から家具を修理する取り組みを行っています。

しかし、ここで驚きの事実があります。リサイクルは完璧ではないのです。プラスチック、紙、金属のいずれのリサイクル過程でも有毒廃棄物が発生します。特にプラスチックのリサイクルは、最も悪質な加害者の一つです。これは諸刃の剣であり、サステナビリティとは善と悪のバランスを取ることなのです。

輸送の課題

予想外の問題として浮上したのが、厳しい輸送法規制です。日本ではトラックは一度に1社のリサイクル材料しか運べないため、複数回の輸送が必要となり、皮肉にも汚染を増やしてしまいます。サステナビリティは進行中の課題であり、このような物流上の問題は、システムにまだ改善の余地があることを明確に示しています。

PASSTO(パスト):リサイクルをより簡単に

ECOMMITの最もクールな取り組みの一つが、現在4,000カ所以上に設置されている不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行う資源循環サービス「PASSTO」です。この名前は、アイテムを他の人に「渡す(pass to)」という考えに由来しています。これらのボックスの設置は郵便局から始まりましたが、現在ではマンションにも設置され、人々が不要な衣類を循環させるために手放しやすくなっています。循環センターに直接衣類を送りたい人のために、物流コストもPASSTOが負担しているほどです。

最後に:リサイクルの現実

ECOMMITへの訪問は、目から鱗が落ちる体験でした。私たちはしばしばリサイクルを綺麗で単純なプロセスだと考えがちですが、実際には巨大な物流パズルなのです。輸送、有毒廃棄物の生産、ブランドの関与など、課題は山積みですが、ECOMMITのような企業が前進し続けることで、私たちの古着が単に消えてしまうのではなく、第二の人生を見出せるようになっているのです。

ECOMMITのおかげで、より多くの不要となった洋服が埋め立て地に行かずに、必要としている人々の手に渡っているのです。

次に古着を寄付する時、私は熟練したピッカーや、注意深く分類された梱包、そして衣類を埋め立て地から遠ざけるために必要な膨大な努力のことを考えるでしょう。ECOMMITは、サステナビリティがリユース・リサイクルだけでなく、私たちが使用するものの全ライフサイクルを再考することだという証明です。本当に衝撃的で、インスピレーションを受けた見学でした。