4月14日から18日までベルギー・ブリュッセルにおいて第8回世界循環経済フォーラム(World Circular Economy Forum )2024が開催されました。今回は、イベントの目玉の1つである出展ブースにおいて注目を集めていた出展企業を紹介します。。
【goodless社】デポジット式プラカップ回収システムを開発
イベント会場等においてプラスチックカップの回収・リユースを効率的に行うGoodless Smart Cups® システムを開発したgoodless社。会場で販売される全てのカップに固有のタグを付与し、使用済みのカップを当社開発のSmart Bin®に入れるとドリンク購入時のデポジットが自動でクレジットカードに戻るという仕組みです。
協力者を増やすために顧客や導入飲食店にとっての利便性を追求した回収システムが評価され、ベルギー大手ビールブランドDuvel社やWestmalle社、ベルギーのサッカークラブKAA GENTともパートナーシップを組むなど活動を拡大しています。
【FinnCERES】研究機関による新素材開発支援プログラム
フィンランド国営企業の研究機関であるVTT社やアールト大学等が共同で設立した先進的なバイオベースの新素材開発を支援するプログラム「FinnCERES」のブースでは、プログラムで生まれた様々な新素材が展示されました。
プラスチック緩衝材に変わる折り紙の技術で強度をあげた紙製の緩衝材や、生分解性のスポンジのような弾力のあるフォームを形成する技術など、今後の実装が期待されるアイディアが紹介されました。
【AIRCOHOL社】発酵時のCO2からアルコールを生成
フィンランドのスタートアップ AIRCOHOL社は飲料の製造・発酵プロセスで排出される二酸化炭素からアルコールを生成する技術「Aircohol® technology」を開発しました。
空気を浄化しながら原料を得られるという革新的な技術によって、二酸化炭素排出量を大幅に減らしながら収益性の高いビジネスモデルへの転換が可能になります。フィンランド大手飲料メーカー工場への導入も決まっており、ブースには多くの企業担当者が殺到していました。
【CARBONAIDE】CO2からコンクリートを生成
フィンランド国営企業VTT社が開発した、二酸化炭素からコンクリートを生成する技術「CARBONAIDE」。
世界の二酸化炭素排出量の6-8%を占めると言われるコンクリート業界において、製造プロセスで発生するガス状の二酸化炭素を個体の炭素に変換し、コンクリートの原料として再利用するという技術です。
既にフィンランドのコンクリートメーカーRakennusbetoni- ja Elementti Oy社はこの技術を活用して舗装材を販売するなど実用化が進んでいます。
【LENOVO社】リサイクル素材使用の環境配慮型ThinkPad
昨年に引き続き出展している大手PCメーカーLENOVO社は、Thinkpadシリーズ新製品の天板フレームにリサイクルカーボンファイバーを使用している点や、故障したり最新の部品にアップグレードを可能にする際には本体はそのままで必要な部品のみを入れ替えができる点など、環境への取り組みを紹介しました。
また、配送用の段ボール包装は子供の知育教育に活用できるデザインが施されているなど遊び心も感じられるユニークな取り組みでした。
Circular Economy.Tokyoでは引継ぎ、欧州を中心としたWCEF2024での個別企業取材を公開予定です。