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香港の「グリーン輸送」〜電気・水素自動車メーカー 最前線(エコエキスポアジア2023より)

2023年10月に香港で開催されたエコエキスポアジア2023には、13の国と地域から300を超える出展者が集まり、カーボンニュートラル、水素エネルギー、グリーン輸送、サーキュラーエコノミー、ESGなどに関する展示やセッションが行われました。

今回は、香港が2050年までのカーボンニュートラル達成のための重要戦略の一つとして挙げている「グリーン輸送(Green Transportation)」の技術を紹介します。
バッテリー電気や水素燃料などのグリーン燃料を使った廃棄物トラック、コンテナ牽引車、ミニバス、自動運転シャトルなど業務用の車両に特化した開発を行っている企業を紹介していきます。

香港エキスポから見るアジアのサステナビリティの現在地

(この記事は旧サイト「環境と人」からの移行記事です)

E.Tech Dynamic Technology

当社は香港を拠点としたグリーン輸送の会社で、特に電気自動車に力を入れています。

当社は2014年に事業を開始し、2017年に2台の商用トラックを発表し、5.5トンの電動トラックは、既に香港で1,620台が稼働しています。非常に強力なバッテリーを搭載しており、フル充電ならおよそ200kmも走行することができます。

写真は28人乗りの完全電気式の低床バスです。

自動運転のためのセンサーが付いており、人間の目と同じように道路や状況を把握し、道路状況に応じて走行することが可能です。

また、観光用の完全自動運転のバスもあります。

全方位に窓がついており、シャトルバスとして主に観光や撮影に使われるものです。乗客だけの空間で、ゆったりとリラックスした時間を過ごすことができます。

取材協力:E.Tech Dynamic Technology社

Wisdom Motor

当社は他社からBPO(委託)を受け開発しています。福建省に工場を構え、主にトラックやバス、特殊車両に至るまでの新エネルギー車両を受注生産しています。

写真はオーストラリアに輸出するトレーラーで、水素燃料で動きます。

また、水素で動くごみ収集車も多くの来場者から注目を集めていました。

当社は国内のみならず、オーストラリア、イギリス、日本、アメリカなど海外にも多く輸出しています。

また、10月から新たに水素動力の二階建てバスが香港市内で走行を開始します。ほぼ認可が済んでいるため、香港初の水素二階建てのバスに乗る日も遠くありません。

取材協力:wisdommotor社

GMI MOTORS

GMI社は、香港を拠点とする会社で、2014年から新エネルギー車を提供しています。これまでディーゼルと電力によるハイブリッド式のミニバスを販売してきました。

今回のエコエキスポアジア2023では、3つの車両を展示しています。ミニバスが1台と、5.5トントラックが2台で、これらは全てバッテリー駆動です。

車両製造の認可を受けており、香港で収集した数々のデータを使用しています。香港の顧客向けに最適化されたソリューションによって、とても効率的に香港で走ることができます。

ミニバスには、トラックとは別のバッテリーであるLTO電池(チタン酸リチウムバッテリー)を搭載しています。LTOは環境にいいとされる電池ですが、EVVOを真に環境によく使うには、サプライチェーン全体を考慮する必要があります。

例えば、希少資源を使うバッテリーを、どの様に人にも環境にも優しく作ることができるかどうかです。バッテリーには寿命がありますので、寿命を迎えた電池をどうすべきか、どう取り扱えばいいか、どうリサイクルするか  どう処理するかを考える必要があります。

リサイクル可能な設計をすることもそうですが、環境への影響を最小限に抑えるためにもバッテリーを交換する必要があります。そのため、「リサイクル可能なバッテリー」というのは、バッテリーの寿命が尽きた後は工場に持ち帰って、再び工場で製造し直すことで新たなバッテリーにできなければいけません。

今はまだ100%再生できておらず、45%といった所でしょうか。ですが、将来的にリサイクル率を上げて100%に近づけていきたいと考えています。