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年間65万トン!価値があるのに廃棄される小型家電

電気製品は、鉄、アルミ、同、レアメタル(金、銀、リチウムなど)といいった大事な金属がたくさん含まれている大切なリサイクル資源。しかし、日本で一年に捨てられている電気製品は、小型家電だけでも65万トンもあるのです。そのうちレアメタルは28万トン。お金に換算すると844億円もの資源が使われずにごみとして埋立てられたり、焼却されてしまいます。

このような資源は「都市鉱山(アーバン・マイニング)」と呼ばれ、20年以上前から注目をされていました。しかし、一つ一つのパーツが小さい小型家電は分解や分別に多くの手間がかかり、事業として収益化しにくいという難点がありました。そこで、当メディア(運営会社:新井紙材株式会社)では、昨年より資源を循環させるサーキュラーエコノミーの観点から、小型家電の分解・分別・リサイクルのプロセスを環境教育として活用する取り組みを行ってきました。

レアメタル循環ワークショップとは

昨年(2023年)11月には、モンテディオ山形のホームグラウンドNDソフトスタジアム山形にてゲーム機の解体ワークショップを行い、大好評を博しました。

分解することで、①プラスチック②電子基板③金属の3つの資源に分別できる

ゲーム機を分解し、3つに分別・リサイクルしていただくものです。

浦和レッズ戦でワークショップを開催

9月21日(土)に埼玉スタジアムで行われた浦和レッズ戦 Autumn Festival 2024では、埼玉県のサーキュラーエコノミーブースの一角にて、親子を対象としたゲーム機の分解ワークショップを開催。埼玉県が行う充電式電池や充電式電池内蔵製品の回収イベントとともに、サーキュラーエコノミーの啓発活動のお手伝いをさせていただきました。埼玉県は、レアメタルを注力資源の一つとして、リチウムイオン電池リサイクルの実証実験を行っています

埼玉スタジアムでの埼玉県サーキュラーエコノミーブース
埼玉県のサーキュラーエコノミーブース

循環ワークショップブースでは、廃棄されたプレイステーションを約60台用意。試合前の時間を利用して、親子連れを中心とした多くの参加者が訪れ、分解→パーツ取り出し→分別ごみ箱に投入という一連の流れを楽しみながら行っていただきました。

古いタイプの機種なので、お父さんが「懐かしい!昔遊んでました」「解体なんてしたことなかったけどこんなふうになっていたんですねー」など、お子さんとともに熱心に解体分別に励む姿が見られました。

リサイクルした資源の行き先は?

今回のワークショップで解体されたゲーム機は57台。3つの資源に分け、それぞれこのようになりました。
・プラスチック(550g/台)=31.35kg
・金属(521g/台)=29.697kg
・基盤(238g/台)=13.566kg
合計=74.6 kg の資源が救出され、リサイクルをすることができました。

今回廃棄ゲーム機を提供いただいたのは、株式会社浜屋さん。リサイクルした資源の流れについて教えていただきました。

「このゲーム機に含有している金属は金、銀、銅、パラジウム、錫、などになります。含有量に関しては、ゲーム機全般でメイン基板1枚あたりおおよそ、金0.01g~0.06g、銀0.1g~0.3g、含有されております。基板に関しては、大手精錬メーカーに出荷をして、再資源化をします。大型の破砕機で細かくした後、炉で溶かしそれぞれの金属を回収して、インゴット状にしてから、各製品メーカーへ渡っていきます。解体で発生する、プラスチック、その他金属類も最終的にリサイクル工場へ渡り、同じように再資源化をします。金、銀に関しては、貴金属装飾品や工業製品の一部などへ、その他の素材に関しても、それぞれ新しい製品の一部となります」

参考記事
中古品を扱って30年「浜屋」に聞くリユース業界の今とこれから(前編)
国内の不用品を買い取り循環。浜屋が提供する価値とは(後編)

ワークショップ今後の予定
◼︎10/06(日) 11:00-16:00
「INSEIREN TOKYO JACK in YOYOGI」 国立代々木競技場 第二体育館
◼︎10/12(土)・13(日)・19(土)・20(日) 11:00-16:00
「コクーンシティSDGsフェア」 コクーンシティ(さいたま市大宮区吉敷町4丁目263-1)

CE.Tでは、この秋様々な場所でレアメタル循環ワークショップやバイオガス体験カフェなどの環境イベントを行う予定です。

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