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建築業界において、資材の廃棄や余剰は長年の課題です。こうした現状を打破すべく、NewNorm Design(NND)株式会社は、建築資材のライフサイクルを俯瞰し、素材の環境評価からマッチング、プロジェクト管理までを一気通貫で支援するSaaSプラットフォーム「matinno(マティーノ)」を本格ローンチしました 。2年前の取材時にはまだ準備中だったmatinno 。ローンチに際し、改めてその意図と内容について取材しました。

構想から8年、現場の課題感から生まれた「素材循環のプラットフォーム」

「matinno」は、建築デザイナーでありNNDのCEOを務めるファラ・タライエ氏が、建築実務の現場で感じてきた課題意識を起点に、2018年から構想を温めてきたプロジェクトです 。以降、数年にわたる調査と研究開発を重ね、素材循環を実務レベルで実現するための仕組みづくりを推進してきました 。

海外、特に欧州では「マテリアルパスポート」と呼ばれる建材の属性・製造情報のデータ化が事実上の標準となりつつありますが、日本国内はまだその立ち上がりの途上にあり、データ整備や標準化の面で遅れをとっているという危機感も背景にあります 。

建築のライフサイクル全般を支える「matinno」の機能

本プラットフォームは、素材メーカー、建築家、設計者、施工関係者、そしてリサイクル関係者をシームレスにつなぐことをミッションとしています 。メーカーはサステナブルな建築資材を無料で掲載でき、掲載された資材には環境評価が付与されてライブラリーへ登録されます 。

設計者や施工者はこれらの資材を容易に検索できるだけでなく、製造や建設現場で発生した余剰資材をトラッキングし、新たなプロジェクトへ再割り当てすることも可能です 。さらにAIを活用したアセスメント機能を搭載しており、環境や循環の観点から定量的な評価精度を向上させることで、建物のライフサイクル全般でのCO2削減に寄与します 。

日本のボトルネックを解消する「データ化」の力

現在の日本における大きな課題は、多くの製品情報がいまだにPDFで管理されており、構造化データ化が進んでいない点にあります 。これがメーカー側の登録動機を弱め、業界全体のデジタル化や循環化を阻むボトルネックとなっています 。

これに対し「matinno」は、PDFからのデータ化を得意とする変換パイプラインを整備しており、メーカーの導入ハードルを下げるサポートメニューを提供。資材のデータを適切に管理・運用することは、将来的な規制対応や市場での競争力、サステナビリティポイントへの貢献にもつながるため、メーカーにとっても大きなメリットとなります 。

グリーンアーキテクチャの社会実装へ

「グリーンアーキテクチャ(環境配慮型設計)」という歴史的背景を持つ概念を、現代のデータ技術で社会実装しようとする試みが「matinno」です 。ファラ・タライエ氏は『建築資材の選択は、未来の社会構造を形づくる起点である』と述べ、持続可能な選択が当たり前になる社会の実現を目指しています 。

建材メーカーにとって、市場露出、マッチング、規制対応、将来的な競争力、サステナビリティポイントへの貢献などたくさんのメリットがあるmatinno。

現在、ローンチを記念して2週間の全機能無料トライアルが提供されており、実際のプロジェクトを通じてその価値を体験することが可能です。ぜひ、登録してみてはいかがでしょうか。

公式サイト: https://matinno.co