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2026年2月18日・19日の2日間、東京国際フォーラムにて「第10回サステナブル・ブランド国際会議2026東京・丸の内」が開催されました。
記念すべき日本開催10周年目のグローバルテーマ「Adapt and Accelerate-適応と加速」は、行動を促すメッセージであり、目標に向かって進むための指針を示しています。変化の激しい環境の中で、いかに企業がリーダーシップを発揮し、サステナビリティを推進力へと変えていくかが問われています。
今回、当メディアCE.Tの母体である新井紙材株式会社が、ネームバッジ等の紙資源を回収する取り組みで参画しました。2日間に渡るイベントの様子をレポートします。

東京国際フォーラムのメイン会場のほか、丸の内エリアの各所でサステナビリティに関するセミナーや展示が行われた。

10周年目のテーマ「Adapt and Accelerate」

2017年に初めて日本で開催されて以来、国内外のサステナビリティ領域をリードする企業・自治体・アカデミック・NGO・NPO、が一堂に会する場として成長を続けてきたSB国際会議は、この10年でその規模も影響力も大きく広がりました。

今年の参加者数はおよそ5,000名(登録時の推計)、200名を超えるスピーカーが登壇し、セッション、ワークショップ、ネットワーキング企画を通じて課題の変革、価値創造、健全な成長機会への転換を目指してディスカッションが行われました。米国のSustainable Brands, PBC.との共催という形で、グローバルな視点も取り込みながら、日本発のサステナビリティアクションを世界へと発信する場ともなっています。

10周年目の今回は「Adapt and Accelerate-適応と加速」というテーマを通して、不確実性が増す世界情勢、気候変動への対応、社会的課題の複雑化—こうした逆境を推進力に変え、可能性の限界を広げるために果敢に一歩を踏み出すことを呼びかけました。

多様なセッションと対話が生み出す学びと創造

SB国際会議の各種プログラムは、サステナビリティを多角的に学びインスピレーションを得る「Learning」と、立場を越えた交流から新たな視点を広げ、共通の関心を起点に実践や協働へと発展する「Networking」を軸に展開されました。

1日目の基調講演やセッションでは「持続可能な経営とESG」「サプライチェーン」「循環型社会」の社会実装へ向けた発信が行われ、続く2日目には「ネイチャーポジティブ」「ウェエルビーイング」を考えるセッションが数多く実施されました。両日共に、「地域との共創」や「AI時代における変化」に触れるディスカッションが活発に行われていたことも今年の特徴と言えるでしょう。

基調講演には多くの来場者が訪れた。

2日目のパネルディスカッション「ネイチャーポジティブが価値を生む—日本の立ち位置と日本への期待」では、2027年開催のGREEN×EXPO(横浜国際園芸博覧会)を見据え、同博覧会サステナビリティ推進部長を務める見宮 美早氏、環境省自然環境局生物多様性主流化室 室長の永田 綾氏らが登壇し、自然資本の価値化と企業戦略について議論が交わされました。

環境省の永田 綾氏は、日本がTNFD(自然関連財務開示タスクフォース)のアーリーアダプター数で世界をリードしていることに触れ、「日本が勢いよく注目を浴びているこの機を捉えてしっかり取り組んでいくことが非常に重要」と述べました。また、バリューチェーンを通じた自然資本への依存と影響について、「大豆や飼料用トウモロコシの大部分を海外に頼っている日本にとって、バリューチェーンを通じた自然資本の劣化は経済に直接影響する」と警鐘を鳴らしました。

見宮 美早氏からは、2027年の横浜GREEN×EXPOにおいては「花博を超えて、ネイチャーを考える場」を目指し、会場に水田が現れるなど日本らしい里山の風景を通じて自然資本の価値を伝える計画が紹介されました。

次世代共創プログラム

高校生・高専生・大学生を対象とした学生向けの特別企画「次世代共創プログラム」も充実した内容で実施されました。若い世代が自らの研究成果や問題意識を発表・共有する場が設けられ、サステナビリティの担い手として次世代の視点が会議全体に新鮮な刺激をもたらしました。

大学や研究機関からの参加も多く、アカデミックな知見と実務の現場をつなぐ議論も活発に行われました。複数の企業・教育・研究機関がパートナーとして名を連ねており、産学連携によるイノベーションへの期待も高まっています。

学生による研究発表の展示

食からはじまるサステナビリティ「FOOD MADE GOODダイニング」

ランチタイムには「FOOD MADE GOODダイニング」と題したビュッフェが会場に設けられました。これは一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会が推進する「FOOD MADE GOOD ダイニング」の基準に基づき、食材の調達から提供に至るまでサステナビリティへの配慮が行き届いたメニューが用意されたものです。

食という日常的な行為がサステナビリティとどう接続しうるかを、参加者が実際に体感できるこの取り組みは、会議のテーマをランチテーブルにまで広げるものでした。サステナブルな選択が特別なことではなく、食事の場にも自然に宿るものだということを、多くの参加者が肌で感じる機会となりました。

ランチタイムに提供された「FOOD MADE GOODダイニング」

紙から紙へ-新井紙材によるネームバッジ回収・資源循環の取り組み

当メディア「サーキュラーエコノミードット東京」の母体である新井紙材株式会社は、今回のサステナブル・ブランド国際会議2026において、イベント時に発生する紙資源の回収という形で参画しました。

大規模なビジネスイベントでは、参加者全員が使用するネームバッジをはじめとした紙製品が大量に消費されますが、これまでその多くはイベント終了後に廃棄されてきました。新井紙材では、会場出口付近にオリジナルの可動式リサイクルボックスを設置し、参加者が使用済みのバッジを投入できる仕組みを設けました。

新井紙材株式会社によるネームバッジ等の紙資源回収
ネームバッジのほか、コピー用紙やダンボールなどの紙資源も種類別に回収。

回収された紙製品は製紙メーカーへと送られ、トイレットペーパーなどの再生品の原料として生まれ変わります。まさに「紙から紙へ」の資源循環です。回収後にはリサイクル証明書が発行され、回収量とともにCO2削減量も明記されることで、イベント運営者が環境貢献を定量的に示すことができます。

サステナブル・ブランド国際会議という「サステナビリティを語る場」そのものが、紙の資源循環を実践する場にもなりました。

10周年を迎えたサステナブル・ブランド国際会議は、企業のサステナビリティ戦略が新たなステージに入ったことを示すとともに、日本がグローバルなサステナビリティ推進において果たすべき役割の重要性を改めて確認する場となりました。

サステナブル・ブランド国際会議公式サイト