建築分野でサーキュラーエコノミーに積極的に取り組むことで知られる竹中工務店。同社が主催するイベント「竹中工務店 サーキュラー支店」展が9月27日(土)~30日(火)の4日間、横浜市中区の「旧第一銀行横浜支店」で開催されました。資源循環をテーマとした様々な展示のほか、子どもから大人まで楽しめる廃材を利用したアートやクラフトのワークショップ、そして有識者や同社プロジェクト担当者によるトークセッションなどが行われ、地域住民や業界関係者で賑わいました。

交流拠点として生まれ変わる施設での開催
会場となった「旧第一銀行横浜支店」は、横浜アイランドタワーに隣接し、風格のある大きな支柱のエントランスが特徴的な建物。渋沢栄一により創設された第一国立銀行の支店として開設された後、関東大震災で被災。1929年に第一銀行横浜支店として復興されたものを原型とし、2003年に再開発事業の中で一部を曳家(ひきや・解体せずにそのままの形で別の場所へ移動させる建築工法)にて復元され、横浜市認定の歴史的建造物となりました。
今回の展示会は、同施設が10月4日より文化交流拠点「BankPark YOKOHAMA」としてグランドオープンする直前のタイミングで行われました。


新しい交流拠点のプレイベントとして
今回のイベントについて、竹中工務店 経営企画室 サステナビリティ推進部の福井彰一氏に詳しく伺いました。

ー素敵な場所でのイベントですが、この場所を選ばれた理由は何ですか。
こちらは10月4日に「BankPark YOKOHAMA」という名称で横浜市の新たな交流拠点としてオープンします。横浜市による運営事業者の公募に、弊社グループを採用いただきました。また、2027年に横浜市で開催されるGREEN×EXPO 2027(国際園芸博覧会)においても、弊社グループがパビリオンを出展いたします。今回の展示会はそれらを見据え、プレイベント的な位置づけで、地域の幅広い層の方とつながることを主目的として企画いたしました。
ー4日間にわたる大きなイベントですね。
はい、私どもは基本BtoBの業務ですので、なかなかBtoCの対応という形に慣れないところがあるのですが、地元の方にもこの場所を利用いただきたいということで会期に土日を入れて様々なコンテンツをご用意しました。特に、小さいお子様から参加いただけるワークショップでは家族連れなど多くの地元の方にご来場いただいき、非常に楽しんでいただきました。

社内コンペの循環アイデアを展示
ー展示はどのようなものがありますか。
建材メーカーさんによるサーキュラーな建材の展示、そして今回は新たな試みとして、建設現場から出る廃棄物だけではなく、いろんな企業様から廃棄物を素材として提供いただきまして、建築のデザイン力やエンジニアリング力でどのように課題解決するかについて、アップサイクルの共創アイディアコンペを社内で行い、その一部を展示させていただきました。各企業様の現場で出る廃棄物についての展示も行っております。
ーたとえばどんな廃棄物ですか。
今回は、阪急阪神ホールディングス様からは、宝塚歌劇の公演で使用された大道具の端材や布を。アサヒ飲料様からは麦茶粕を。三協立山様ではアルミ溶解炉に使われているアルミナボールなどの素材を提供いただきました。


ー社内のコンペではどれぐらいの提案があったのですか。
社内51チームからエントリーが43あって、その中から10選を選びまして今日展示させていただいております。



ー業界を超えての廃棄物の課題へのアイデアということですね。
はい、そうは言っても私どもは建築の会社ですので、建築、建材、まちづくりという領域の中で、ただあまり縛らずに、実現するよりも新規性、面白さというところで今回考えてもらっているところがあります。このイベントをきっかけに、社内外での取り組む仲間を増やし、「サーキュラーデザインビルド®」の実現につなげたいと考えています。
ー未来を感じる楽しい展示ですね。ありがとうございました。
竹中工務店プレスリリース
サーキュラーエコノミー実現への取組みを紹介する「竹中工務店 サーキュラー支店」展を開催
https://www.takenaka.co.jp/event/2025/09/01/