サスティナブルで豊かな暮らしをテーマに、今年で4回目の開催となる「GOOD LIFEフェア2025」が9月26日(金)〜28日(日)、東京ビッグサイトにて開催されました。(主催:朝日新聞社)3日間で36,598人が来場し、日々の暮らしを心地よく、豊かにする多彩な商材・サービスを提案する約500社(600ブース)が一堂に集まり、商品の裏側にある様々なストーリーに触れながらその場で購入もできるイベントとして多くの来場者で賑わいました。

衣食住の各カテゴリーで、持続可能性や環境に配慮した製品、地域に根ざした特産品などが紹介され、取材した開催初日は平日にも関わらず幅広い世代の来場者で熱気に包まれていました。豊かで心地よい暮らしのヒントが見つかるフェアの中から、消費者にとって身近な「食」「ファッション」「ウェルビーイング」の視点でお話を伺った3つの企業をご紹介します。
ゲーム感覚で学ぶ「残さず食べる」大切さ。びっくりドンキー体験ブース
黄色いロゴとハンバーグでおなじみのファミリーレストラン「びっくりドンキー」。外食産業の中でも早くから環境経営に取り組まれ、CE.Tでも先日、札幌市にある運営本部の(株)アレフを詳しく取材させていただきました。
GOOD LIFEフェアでは、残さず食べることの大切さや、びっくりドンキーの食品ロス削減の取り組みについてミニゲームを通して体験できるブースが設けられ、親子で参加される来場者が多く見られました。






ファミリーで参加された方々がニコニコわくわくしながらゲームにチャレンジする姿は、「お客様が喜ぶ顔がみたい」というびっくりドンキーの思いを物語っていました。
SUBARUのまちで糸を紡ぐ「太田ニット」のエシカルな挑戦と技術継承
群馬県太田市のニット職人が手掛ける「SWEATER MAN」は、日本におけるアパレル商品の年間廃棄量が50万トン以上あり、その多くが焼却、埋め立て処分されている現状に警笛を鳴らし、原料を廃棄しないコンセプトのもとに立ち上げられたニットブランドです。OEMでニット製品を作る過程でどうしても出てしまう廃棄をなんとかしたいという想いから、ロスの出ない編み方を取り入れ、1枚からでも作り上げる取り組みをされています。

自動車メーカーSUBARUの発祥地である太田市。SUBARUの前身である中島飛行機の技術者が糸をつむぐ「手紡機」を製造したことを機に、太田市のニット産業が発展したと言われています。また、桐生市などの繊維産業地帯が周囲にあったことも幸いし、太田市でのニットづくりは地域経済をリードする産業となっていったのです。
ニットブランドを立ち上げた(株)テラウチの2代目社長、寺内弘之さんによると、かつてはニットの産地として150社以上あった工場が、今では8社だけになり、地場産業として認定してもらえるギリギリのところまできているそうです。創業者である寺内さんのお父様は93歳で今も現役の職人さん。ニット工場の現場は70代が多く、編み地と編み地を繋ぎ合わせるニットリンキングの技術を身につけるには何年もかかるため、手仕事の技術継承はあと10年が勝負だと思っているそうです。

機械や設備は揃っているので、東京近郊という地の利を生かし、都内でブランドを立ち上げた若いデザイナーたちに、群馬にアトリエを構えてエシカルなものづくりのきっかけにしてもらえるような働きかけもしていきたいと語っていました。

CO2実質ゼロ泊のサステナホテルを目指す「スーパーホテル」
GOOD LIFEフェア会場では、世界最大オーガニック商品見本市の日本版「BIOFACH JAPAN(ビオファジャパン)2025」が同時開催され、ホテル業界で唯一、環境大臣より「エコ・ファースト企業」として認定されたスーパーホテルが出展されていました。

まだ世の中の環境意識が薄かった1999年に水俣市から環境保全重視の街づくりへの協力を要請されたことをきっかけに環境活動への取り組みを本格的にスタート。2001年にはISO14001を取得。宿泊時の電気は再生可能エネルギー由来の電力を使用し、水道・ガスの使用で発生するCO2をクリーンエネルギー事業へ投資することでカーボン・オフセットする仕組みを導入。1泊の宿泊で発生するCO2を実質ゼロにする「CO2実質ゼロ泊」を推進しています。
「Natural,Organic,Smart」をコンセプトに、健康でサステナブルなライフスタイルを提案するスーパーホテルでは、オーガニックでヘルシーな朝食の提供にもこだわっています。焼きたてパンのラインナップには、BIO認証を受けた有機農法による原材料で製造されたオリジナルのロールパン「BIOロール」があります。そのほか有機JAS認証野菜を使用したサラダ、有機大豆を使用した味噌汁など、環境や健康に配慮した食材を朝食メニューとして積極的に取り入れています。(一部店舗を除く)



ホテルのユーザー層として、ビジネスマンが出張で利用するケースだけでなく、女性や海外からの旅行客など多様なお客様が増えているそうです。
サステナホテルのコンセプトに共感されたお客様の声として紹介されていた、「きれいな空気、きれいな水、きれいな言葉、きれいなホテル。そして地球も同じようになったらよいですね」というメッセージが印象的でした。
ストーリーへの共感と応援でつながる場所
GOOD LIFEフェアは単なる販売会ではなく、商品の背景にあるストーリーに触れることで、共感や応援の気持ちが生まれ、出展者とつながる場を提供しています。企業や消費者が一体となって、より良い未来の生活様式を探る、活気に満ちた場であり、「サスティナブル」が特別なことではなく「豊かな暮らし」に直結する身近な選択肢であることを教えてくれました。
GOOD LIFEフェア2025公式サイト
https://goodlife-fair.jp/
BIOFACH JAPAN公式サイト
https://biofach.asahi-expo.jp/