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サーキュラーな体験や学びを提供するCE.Tでは、循環の現場である静脈産業の視察ツアーを提供しています。2月5日(水)、不要になった衣類や雑貨の回収・選別・再流通(リユース・リサイクル)による循環インフラの事業を展開している「株式会社ECOMMIT サーキュラーセンター」をグループ訪問し、普段目にすることの少ない、回収された繊維やファッション製品がどのように選別・再流通されているか、その現場を実際に見学し、終了後は参加者同士で意見交換を行いました。

株式会社ECOMMIT サーキュラーセンター

株式会社ECOMMITは、全国7箇所に自社の循環センターを持ち、不要品の回収・選別・再流通を一気通貫で行う資源循環サービス『PASSTO(パスト)』の開発・運営などを行っています。 

『PASSTO(パスト)』は、使わなくなった不要品を回収し、最適な使い道の選別、再活躍させる「リユース・リサイクル」の循環をつくる仕組みで、マンションや郵便局、商業施設などに導入し、暮らしに身近な資源循環の入口となることで、より気軽に資源循環に参加できる場と、「捨てる」以外の選択肢を提供しています。

ECOMMITでは、年間約1万2,000トンの不要な衣類を選別しています。昨年設立した舞浜サーキュラーセンターでは、PASSTOやアパレルブランド等の店頭で回収された衣類の選別を、「ピッカー」と呼ばれる選別のプロが1時間に200kgの速さで、状態や種類ごとに123品目に分類しています。

アイテムの状態や種類ごと分類
アイテムの状態や種類ごと分類

選別された衣類の流れ

選別された衣類は、主に以下の3つの流れに分かれます。

  1. リユース・リセール:国内外のリユースショップやリセールチャネルを通じて再販
  2. リサイクル:衣類を繊維に戻し、自動車の内装材などに再利用
  3. その他:独自ルートを通じ、必要な人々へ届ける

異物や廃棄となるものはほとんど発生しないとのことです。

最近では化粧品メーカーとの協業が進み、衣類だけでなく店頭回収した化粧品ガラス容器の選別も開始。洗びんを行い再び製品化することで、企業のサステナブルな取り組みを支えています。

このように、ファッション産業における製造者責任の一環として、自社製品を回収しサプライチェーンに戻す「静脈産業」という重要な役割を、ECOMMITが担っていることが分かりました。

現場ツアーでは、ECOMMIT様の担当者が約1時間にわたり事業内容やサーキュラーセンターの工程を説明。参加者の質問にも丁寧に対応していただきました。

ツアーの様子

参加者同士で活発な意見交換

今回のツアーには、印刷業、産業事業廃棄物処理業、サステナビリティ視点の戦略コンサルティング業など、様々な業種・分野からサーキュラーエコノミーへの感度の高い参加者が集まり、懇親会でも積極的にディスカッションしていただきました。

参加者の皆様からは、「他業種様と交流し、色々と勉強できてとても有意義な時間だった。」

「ECOMMITさんの現場を見て学びたいと思っていたので、良い機会となったなどのお声をいただきました。

参加者同士の活発な意見が交わされた終了後の懇親会

サーキュラーエコノミーにおける動静脈連携の理解を深め、最新の取り組み事例にも触れる貴重な機会として、今後も古紙・廃プラスチック・建設廃棄物・衣類など様々な静脈産業の現場を訪問する予定です。