記事を読む

アスクル株式会社は、長崎県対馬市の海洋プラスチックを再資源化し、原料として使用したオリジナルゴミ箱を2025年3月24日より販売開始すると発表しました。この取り組みは、深刻化する海洋プラスチック問題に対する具体的な解決策として注目を集めています。

対馬海洋プラスチック約10%配合 連結ワンハンドペール 47L (3色)

対馬市との連携で生まれた環境配慮型商品

アスクルと対馬市は2021年2月にSDGs連携協定を締結し、サーキュラーエコノミーの推進に向けて協力してきました。今回発売される「対馬海洋プラスチック約10%配合 連結ワンハンドペール 47L (3色)」は、この連携の成果として誕生した商品です。

対馬市は国のSDGs未来都市に選定されており、海洋プラスチックゴミ問題に積極的に取り組んでいます。アスクルは「資源循環型プラットフォームの実現」を目指しており、両者のノウハウを活かした商品開発が実現しました。

海洋プラスチック問題の深刻さを反映した商品開発

対馬市における廃棄物の種類と割合

対馬市に漂着する海洋ゴミの約71%がプラスチック類であることが、この取り組みの背景にあります。アスクルは社員参加型の「対馬スタディツアー」を通じて、社員が直接現地の問題を学ぶ機会を設けています。この経験が、海洋プラスチックを用いたオリジナル商品の開発につながりました。

環境配慮と手頃な価格を両立

新商品は、リス株式会社との共創により実現しました。対馬の海洋プラスチックを約10%配合しながらも、手頃な価格設定を実現しています。カラーバリエーションは、自然を連想させるアースカラー3色(オーシャンブルー、リーフグリーン、アースブラウン)で展開されています。

3色のゴミ箱

売り上げの一部を対馬市に還元

アスクルは本商品の売り上げの3%を対馬市に寄付し、海洋ゴミの回収や処理に活用することを決定しました。この取り組みにより、商品の販売が直接的に環境保護活動につながる仕組みが構築されています。

企業間連携による問題解決への取り組み

2024年11月には、アスクルとリス株式会社が合同で対馬スタディツアーを実施しました。この取り組みは、企業の垣根を越えた連携の新たな形として注目されています。

リスの参加者は、「海岸沿いを埋め尼くす漂着ごみの光景はとても衝撃的で、回収~分別にかかる労力は想像を超えるものでした」とコメントしています。また、「製造メーカーだからできる事で貢献したい思いが強くなりました」と、問題解決に向けた意欲を示しています。

オフィスでの使用イメージ

今後の展望と社会的影響

アスクルは今回の取り組みを通じて、エシカルeコマースを目指し、持続可能な社会の実現に向けた商品やサービスの拡充を進めていく方針です。この取り組みは、以下のような社会的影響をもたらす可能性があります:

1. 海洋プラスチック問題への認識向上:消費者が日常的に使用するゴミ箱に海洋プラスチックを使用することで、問題への関心を高める効果が期待できます。

2. 資源循環モデルの確立:地域の環境問題を、企業の商品開発を通じて解決する新たなモデルケースとなる可能性があります。

3. 企業間連携の促進:アスクルとリス株式会社の連携は、環境問題解決に向けた企業間協力の重要性を示しています。

4. 消費者の環境意識向上:環境配慮型商品の選択肢が増えることで、消費者の購買行動に変化をもたらす可能性があります。

この取り組みは、海洋プラスチック問題という喫緊の環境課題に対する具体的なソリューションを提示しており、今後の展開が注目されます。

Source: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000440.000021550.html