暖かくなると増える大規模イベント。人がたくさん集まるところには「ごみ」も大量に発生します。その中には、資源となるペットボトルやガラス瓶も含まれます。それらの資源ごみを効率的に集める方法はないでしょうか?
今回は、フィンランドのヘルシンキ市のメーデーイベントで実施されたユニークなボトルリサイクルのプロジェクトについてレポートします。(取材:2023年5月 旧サイトのリライト記事)
何万人もが集う春の祭典「メーデー」
5月1日と言えば、国際労働者デーとして世界中が祝う日ですが、フィンランドのメーデーは「ヴァップー」とも呼ばれ、春の到来を祝う古代の春祭りという意味合いもある特別な日。国民の祝日になっているため、あちこちでお祝いのイベントが行われ、どこも大変な人出です。男性も女性もセーラー帽のようなものをかぶっているのに気がつきます。これは高校卒業時にもらう白い学生帽で、これをかぶって参加するのが決まりになっています。

デモのイメージがある日本のメーデーを想像すると、まったく違う世界で、お祝いムード一色です。そしてその日は、友人や家族とピクニックを楽しむという習慣があります。公園や公共の場に集まって、お祝いの食事を楽しみますが、その時によく飲まれるのがスパークリングワインなのです。

市が仕掛けるシャンパンボトルリサイクルプロジェクト
さて、これだけの人が集まる公園では、当然ながらごみゴミも大量に出ます。公園にはかなりの数のごみゴミ箱が用意されていました。分別ができるコーナーだけでなく、何でも入れられる巨大な青いコンテナも何カ所も設置してあります。

この公園で行われていたのが、ヘルシンキ市のメーデー特別企画で、スパークリングワインボトルを20本集めると、映画の年間無料チケットと交換できる取り組み。映画チケットは1回のみではなく、1年間のフリーパスというから驚きです。


最初にこの企画を知った時には、スパークリングボトルだけで20本も集められるの?と疑問に感じました。でも実際に現場に来てみると、多くの人がスパークリングワインやシャンパンを飲んでいて、キャンペーンブースにはひっきりなしに人が訪れ大忙しです。
子どもたちがボトルを集め、スタッフの方が豪快にコンテナに瓶を投げ込む様子は迫力です。ぜひご覧ください。
スパークリングの重いボトルは貴重な再生資源
ヘルシンキ市の都市環境課の方にお話を伺いました。

―ずいぶんボトルが集まっていますね。どれくらいの人が来ていますか。
もう千人は超えていると思います。ブースはここだけではなく他にもう1カ所あります。このブースも、二つコンテナがあるうち左側がもういっぱいになっています。30人体制で行っています。
―集めたボトルはどこに行くのですか。
再生業者が回収し、グラスウールの原料になります。
―なぜスパークリングボトルで、普通のワインボトルではないのですか。
スパークリングワインのボトルはガス圧の関係で通常のボトルより厚くて重く、使われているガラスの量も多いので再生資源として価値があります。メーデーではスパークリングを飲む人が多く、特にこの公園は毎年ボトルが大量に出ます。
―このプロジェクトはいつから始めたのですか。
この試みはコロナ後から市が始めて、今年で2年目になります。
―子どもたちがたくさん集めていますね。
そうですね。大人は飲むのに夢中ですが、子どもたちは楽しんでボトル集めをやっていると思います(笑)
人がたくさん集まるイベントは、リサイクル資源を集めるチャンスでもあります。市民に参加のメリットを与え、子どもたちも巻き込んで遊び感覚で資源回収が実現できているこのケースは、リサイクルの成功例と言えるでしょう。