2025年9月5日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開となる映画『ふつうの子ども』。『そこのみにて光輝く』(2014年)、『きみはいい子』(2015年)などで高い評価を受けた監督・呉美保と脚本家・高田亮のコンビによる完全オリジナルの新作映画です。CE.Tで協賛を決定した本作について、一足早くご紹介いたします。
『せかいのおきく』から『ふつうの子ども』へ
2023年に公開され数々の映画祭で受賞した、江戸の循環型社会が背景の映画『せかいのおきく』。CE.Tでは、フィンランド「Midnight Sun Festival」での上映の様子とともに、プロデューサー菅野和佳奈氏を取材しました。
今回の『ふつうの子ども』は、菅野プロデューサーの新作。作品に描かれている“環境活動”や、子どもたちの素朴でまっすぐなまなざしに強く共感し、メディアとしての協賛を決定しました。菅野プロデューサーは、「撮影でひと夏を子どもたちと過ごし、彼らの持つエネルギーに圧倒され、惹かれてしまった。子どもがいるいないに関係なく、老若男女、今の日本の子どもたちから何か見えてくるものがあると思う」と語っています。
少子化が加速する日本。つい先日、2024年の人口動態統計が発表され、日本で生まれた日本人の子どもの数は前年比5.7%減の68万6061人で、統計のある1899年以降初めて70万人を割るというショッキングな報道がありました。日本は今、持続可能な社会から遠ざかっていると言えます。今こそ私たちは「子ども」にもっと目を向けるべきではないでしょうか。
劇中では、環境問題に関心を寄せる子どもたちが自ら行動を起こし、周囲との関わりの中で小さな気づきや変化を重ねていきます。その姿は、日々の暮らしや地域社会のなかで私たち一人ひとりができることの可能性を改めて思い出させてくれます。
当メディアがテーマとするサーキュラーエコノミーは、モノや資源を循環させるだけでなく、気づきや行動、人と人とのつながりが連鎖していく社会を目指すものです。そうした価値観が、本作に流れるテーマやキャラクターの在り方と深く重なっていると感じています。子どもたちの視点から環境や社会のあり方を見つめ直すきっかけとなるこの映画を応援しています。
映画『ふつうの子ども』について
主人公は、小学4年生の上田唯士(うえだ・ゆいし)。彼は、環境問題に関心を持つクラスメイトの三宅心愛(みやけ・ここあ)や、問題児とされる橋本陽斗(はしもと・はると)と共に“環境活動”を始めたことをきっかけに、日常が少しずつ変化していきます。
出演は、嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大の3人の子どもたちに加え、蒼井優、風間俊介、瀧内公美など実力派俳優が脇を固めています。
また、本作は第65回ズリーン国際映画祭長編映画部門インターナショナル・コンペティション子ども部門への正式出品が決定しており、その他にも複数の海外映画祭への出品が予定されています。

公開情報
タイトル:ふつうの子ども
公開日:2025年9月5日(金) テアトル新宿ほか全国公開
監督:呉美保
脚本:高田亮
出演:嶋田鉄太、瑠璃、味元耀大、蒼井優、風間俊介、瀧内公美 ほか
製作・配給:murmur
公式サイト:https://kodomo-film.com
公式SNS:@kodomo_film(X・Instagram)
特報映像(YouTube):https://youtu.be/0fqBWW3wES0