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オフィスビルや会議施設も「サステナブル」が当たり前の時代に【赤坂インターシティコンファレンス】

数百から数千人規模の学会や国際会議が頻繁に行われる国際都市・東京。その社会的責任から、主催者にはサステナブルな会議運営が求められています。では、国際学会等で使用される大規模オフィスビルや会議施設では、どのような環境対応を行っているのでしょうか。東京メトロ「溜池山王」に直結する会議施設「赤坂インターシティコンファレンス」(東京都港区赤坂)を訪ねました。

2017年に竣工した大規模オフィスビル「赤坂インターシティAIR」外観。この中に会議施設「赤坂インターシティコンファレンス」がある。
赤坂インターシティコンファレンス受付


●お話を伺った人
日鉄興和不動産グループ 赤坂インターシティマネジメント株式会社
取締役住宅推進部長 兼 施設マネジメント部長 兼 総務部担当部長 柴崎拓也氏
施設マネジメント部兼ビル管理部 副部長 大河原俊之氏

再生可能エネルギー電力を100%使用

—赤坂インターシティコンファレンスの環境方針について教えてください。

大川原:当施設(赤坂インターシティAIR)では、2030年までにCO2排出量を50%削減し、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げています。この目標達成に向けて、様々な取り組みを行っていますが、そのひとつが再生可能エネルギーの活用です。

2022年4月から、東京電力のグリーンベーシックプランを導入し、施設で使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えました。通常の電力契約に比べてコストは増加しますが、環境への配慮と社会的責任を果たすために必要な投資だと考えています。

—再生可能エネルギー以外にも、環境に配慮した取り組みはありますか?

大川原:はい、施設の設計段階から環境に配慮した様々な工夫を施しています。例えば、高性能な遮熱ガラスの使用や、日射を抑制するアルミルーバーの設置、自然換気孔の導入などです。これらにより、空調に頼らない省エネ効果を実現しています。

また、テナント向けにオンライン上で空調制御ができるシステム(環境選択型テナントエコサポートシステム)を導入し、各テナントが自身のエネルギー使用状況を可視化できるようにしています。

ー環境認証についてはいかがでしょうか。

おかげさまで、CASBEE認証では最高ランクであるSランク、東京都のトップレベル事業所認定、2020年度は省エネ大賞の最高位敬愛産業大臣賞を受賞しています。また。DBJGreen Building認証では、最高ランクのFive Starsを取得いたしました。

前室を備えたエグゼクティブ向け会議室「ボードルーム」。取締役会などの利用頻度の高くない会議室は自社で持たず、その都度借りるという合理的な選択をする企業が増えているという。

テナントニーズの変化に対応

—ビルテナントの環境意識について、最近の傾向はいかがでしょうか?

柴崎:テナントの環境意識は確実に高まっています。特にグローバル企業や大手企業では、オフィス選びの際に環境性能を重視する傾向が顕著です。実際、環境に配慮した取り組みを行っていないビルは選択肢から外されるケースも増えています。

また、テナントのニーズも変化しています。以前は固定費としての賃料を重視していましたが、最近では変動費化を求める声が増えています。そのため、当施設では前述の通り、システムを導入して空調使用量を見える化し、従量課金制にしています。これにより削減効果が生まれ、それをコストメリットとしてテナント側に還元しています。

—会議施設の利用者からも環境への配慮を求められることはありますか?

大川原:はい、会議主催者からの環境配慮の要望も増えています。例えば、最近開催された国際学術会議では、ペットボトルの使用を控えるため、缶入りの飲料水を受付で配布、ウォーターサーバーを会場内に設置するなどの対応をいたしました。また、昨年暮れにはサステナブルがメインテーマの会議が行われましたが、主催者の要望にすべての面で対応することができました。

このような要望に応えるためには、時には追加の設備投資が必要な場合もあります。例えば、リターナブルカップの導入では、そのための食器洗浄機の導入を計画しています。

会議室 the AIR

地道な省エネ活動を継続

—施設全体での省エネ活動について教えてください。

大川原:当施設では、エネルギーマネージャーを中心に、月1回の運用改善会議を開催しています。この会議では様々な運営管理に関するデータを分析し、きめ細かな省エネ策を検討・実施しています。

例えば、駐車場の換気ファンの運転方法で、従来のやり方を見直し、CO2濃度に応じた間欠運転に変更しました。また、会議室の稼働状況に合わせて空調や照明のON/OFFを細かく制御するなど、地道な取り組みを続けています。

これらの活動により、年間で着実にコスト削減効果が出ています。金額としては大きくありませんが、サステナブルな施設運営を行うためにはこのような継続的な取り組みが重要だと考えています。

テナントや利用者との協力体制を強化

—今後の環境対応の展開について教えてください。

柴崎:私たちは、環境対応は避けて通れない課題だと認識しています。今後も、テナントや利用者のニーズに応じた新しい取り組みを積極的に導入していきたいと考えています。

加えて、テナントや利用者との協力体制をさらに強化していきたいと考えています。環境対応は、私たち施設側だけでなく、利用者の皆様の協力があって初めて実現できるものです。今後も、双方向のコミュニケーションを大切にしながら、より効果的な環境対策を推進していきます。

—ありがとうございました。

赤坂インターシティコンファレンス
https://aicc.tokyo/