専門用語集

「ウォーターフットプリント」とは

ウォーターフットプリントとは、水資源の利用状況を定量的に評価する指標であり、製品やサービス、個人、企業、国などが消費する水の総量を可視化する概念です。

ウォーターフットプリントは、私たちが日常的に消費する製品や食品の生産過程で使用された水の量を測ることで、水資源の持続可能な管理を促進する役割を果たします。この指標は、単なる直接的な水消費量だけでなく、製品のライフサイクル全体における水の使用量を考慮する点が特徴です。例えば、一杯のコーヒーを生産するためには約140リットルの水が必要とされ、牛肉1kgの生産には15,000リットル以上の水が使われるとされています。このように、日常的な消費行動が水資源にどのような影響を及ぼしているのかを理解するための指標として、ウォーターフットプリントは重要な役割を果たします。

ウォーターフットプリントは主に「グリーンウォーター」「ブルーウォーター」「グレイウォーター」の3つの要素から構成されます。グリーンウォーターは、雨水や土壌水などの自然由来の水を指し、主に農業や森林の成長に利用されます。ブルーウォーターは、河川、湖、地下水などの表流水や地下水を指し、飲料水や工業用途に使用されます。グレイウォーターは、製造や農業活動によって汚染され、再利用や浄化が必要となる水を意味します。これらの要素を総合的に考慮することで、水資源の持続可能な利用戦略を立てることが可能になります。

ウォーターフットプリントの活用は、水資源の持続可能な管理や環境保全において重要な役割を果たします。

企業や政府機関は、ウォーターフットプリントの評価を通じて、製品やサービスの水消費量を削減し、より持続可能な生産プロセスを実現することができます。例えば、食品産業では、農業用水の効率的な利用や節水技術の導入が求められ、繊維産業では、染色プロセスの改善やリサイクル水の活用が進められています。また、個人レベルでも、節水意識の向上や、ウォーターフットプリントの小さい製品を選択することで、水資源の保全に貢献することが可能です。

ウォーターフットプリントは、サーキュラーエコノミーの実現に向けた重要な指標として位置付けられます。

従来のリニアエコノミー(直線型経済)では、水資源は一方通行的に消費され、使用後は廃棄される傾向にありました。しかし、サーキュラーエコノミーの枠組みでは、水資源を効率的に循環させることが重視されます。例えば、工業排水の再利用、雨水の貯留と活用、都市部における水リサイクルシステムの導入などが、水資源の持続可能な利用を促進する施策として挙げられます。さらに、ウォーターフットプリントの概念を活用することで、水不足が深刻な地域での水消費を抑制し、グローバルな水資源管理の最適化につなげることができます。

このように、ウォーターフットプリントは、個人、企業、社会全体が水資源の使用状況を把握し、持続可能な利用へと導くための有効なツールです。サーキュラーエコノミーの視点からも、水の循環利用を推進し、環境負荷を軽減するための重要な要素として、今後ますますその重要性が高まるでしょう。