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「パリ協定」とは

パリ協定は、2015年に国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)のもとで採択された、気候変動に対処するための国際的な枠組みです。

パリ協定は、地球温暖化の上限を2°C未満(できるだけ1.5°C)に抑えることを目指し、各国が自主的に温室効果ガスの削減目標(国別貢献)を設定することを求めています。また、気候変動への適応や気候財政支援など、総合的な取り組みを推進しています。

パリ協定の主な特徴や内容は以下の通りです。

  • グローバルな参加と包括性:パリ協定は、195の国と欧州連合が合意し、世界的な気候変動への対応を目指しています。全ての国が貢献することで、気候変動の影響を最小限に抑えることを目指しています。
  • 自主的な貢献目標(NDCs):パリ協定では、各国が自主的に温室効果ガスの削減目標である国別貢献(Nationally Determined Contributions、NDCs)を設定することが求められています。これにより、各国の貢献の透明性と比較可能性が向上し、共通の目標達成に向けた取り組みが促進されます。
  • 1.5°C目標の導入:パリ協定は、地球温暖化の上昇をできるだけ1.5°Cに抑えることを目指す点で重要です。これは、2°Cの上限目標よりも厳しい目標であり、気候変動の影響を最小限に抑えるための取り組みを強化することを意味しています。
  • 透明性と監視:パリ協定は、各国が透明性の高い報告を行うことを求めており、国際的な監視や審査が行われます。これにより、各国の取り組みの進捗状況を把握し、責任の追及や改善を促進することが可能となります。
  • 気候財政支援:パリ協定では、開発途上国への気候財政支援が重要な要素として位置付けられています。先進国は、開発途上国に対して資金や技術移転などの支援を提供し、持続可能な開発に向けた取り組みを支援します。

パリ協定は、気候変動に対処するための包括的な国際的枠組みとして高く評価されていますが、実施に向けた具体的な取り組みや達成度に対する罰則がないことから、進捗状況は各国によって異なります。今後も、各国の協力と努力が求められ、持続可能な地球環境を守るための取り組みが継続されることが重要です。