紛争鉱物とは、武装紛争や人権侵害の資金源となるリスクがある地域から採掘される鉱物のことを指します。
これらの鉱物は、特にアフリカ大陸の一部地域や他の紛争地帯で採掘されることが多く、ティン、タングステン、タンタル、金(3TG)などが主要な対象です。これらは日常生活で広く使われる携帯電話やコンピューター、その他多くの電子機器に不可欠な材料であります。問題は、これらの鉱物の採掘が地元の武装勢力によって行われることが多く、彼らがこの採掘活動を資金源として利用し、地域の紛争をさらに激化させている点です。武装勢力は、採掘した鉱物を国際市場に流通させることで得た収益を、武器購入や自身の勢力拡大に充てています。

紛争鉱物の問題を解決するためには、トレーサビリティ(追跡可能性)の確保と透明な供給チェーンの構築が重要です。
このために、国際社会は様々な規制を導入しています。例えば、アメリカ合衆国ではドッド・フランク法のセクション1502が制定され、公開市場に上場している企業に対し、彼らの製品に含まれる鉱物が紛争鉱物でないことを確認し、報告することを要求しています。同様に、欧州連合も供給チェーンの透明性を高めるための規則を設けており、企業が紛争地域からの鉱物の流入を抑えるための努力が求められています。非政府組織や産業界では、「紛争フリー」の認証プログラムを推進し、倫理的な調達が行われていることを消費者に示すことで、紛争のない平和な供給チェーンを支持する動きも見られます。
紛争鉱物に対する取り組みは、企業の社会的責任(CSR)と持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与するものです。
これらの努力により、企業は自社の倫理的な立場を消費者や投資家に示すことができ、長期的な企業価値を向上させることが可能です。さらに、紛争鉱物の問題に対する意識が高まることで、消費者もより倫理的な製品選びを心がけるようになります。これは、資源の持続可能な利用や、環境保護、社会的責任の観点からも非常に重要です。最終的に、こうした全体的な取り組みが地域経済の安定化に寄与し、紛争地域の平和構築にもつながると期待されています。教育プログラムや代替産業への投資も、地域コミュニティの自立と発展を促す重要な手段となり得ます。